「3,000人の組合員を幸せにするために」良品計画労働組合・田中委員長が語る、組合活動の軌跡と展望

良品計画労働組合の田中中央執行委員長に、労働組合の課題解決から、組合活動で注力した取り組みや成果などの組合活動に従事された振り返りを幅広く聞かせていただきました。

目次

組織概要と自己紹介

— 組織概要

田中:良品計画労働組合の田中と申します。当組合につきましては今期が第34期、34年目の組合で、組合員数としては3,000名弱くらいの規模感の組合となっております。男女比については3対7ぐらいですね。女性の比率が非常に高いというのが特徴的なのと、あともう一つ特徴的なところは20代30代が組合の組織の中の約70%で、非常に若い組合組織になっているというのが特徴的なところかなと思っています。組合の組織図としては、専従が4名に1月1日からなりまして、その下に中央執行委員という非専従の方たちが入っているというような組織です。その方々が今13名います。また支部制を取り入れておりまして、支部は14支部に分かれている形になっております。支部運営は総会代議員(非専従)が担っており、それぞれの支部役員が各支部にて役職についてくださっているという組織体になっています。

先ほどもちょっとご説明しましたけど20代30代というところが非常に多い組合になっているので、逆に私のような40代になっていて、50代になるともう一桁、数パーセントのようなぐらいになってきていますので、他の組合様とお話をさせていただくときにも、「非常に若い組織ですね」というようなことはお声をいただく組合です。

新卒の採用自体が、ここ数年加速をし、23、24、25年というようなこの3カ年が非常に大量に採用させていただいたところが、経営の戦略としてあったというのが、若い方たちが多い一つにあります。あとはもともと私が入社した25年前も、その時から男女比率というのはあまり変わってなくて、女性の活躍が非常にできる会社であり、それがイコール組合の男女比にもスライドされてきています。なので非常に先進的な会社だったのかなという風に今振り返ると思うという感じですね。

— 自己紹介

田中:入社自体は2000年に入社をし、まず店舗を経験させていただきました。私は比較的早い段階で役職をいただくことができたというところがありまして、入社3ヶ月目でいきなり新店の代行、入社2年目にはもう店長になったというような形をとっていました。会社の出店や成長のタイミングとあったと思うんですけども、比較的キャリアには乗ってきたようなところはあるなというところを感じています。ちょうど2011年に、北日本のエリアマネージャーという課長職をさせていただいた時には、2011年の記憶も皆さんあると思うんですけど、3.11という時に、営業よりも人命、復旧ではなく復興に力を注いだというようなところが北日本エリアマネージャー時代ではありました。

その後人事に行ったり、監査室を経験をしたりする中で、また店舗に戻ったんですけども、主要の店舗の改装プランニング、提案をして、提案を勝ち取って改装していくようなことをしていました。資料作りや数値は、その時の経験ですごく自分の中で身になったなというふうに感じています。あとは、池袋西武や銀座のお店とか、そういう主力のお店に配属をしていただいたことによって、やっぱりマネジメントスキルというのは非常に高くなったなというふうに感じていました。

委員長になられるまでの過程

田中:その中で店が変わって、前任の委員長や専従の方から「中央執行委員をやらないか」と言われまして、非専従で中央執行委員をやっていました。思うところもありましたので、いろいろと会議では意見をしていたというところがございました。今回、専従になったきっかけについて、私が最後に所属していた店舗が50名のスタッフがいたのですが、「50名を全員幸せにすることは多分できるな」と思ったんですよ。ですが、組合の声をかけていただいた時に、組合員数ちょっと僕分かってなかったのですが、明らかに組合員数の方が多いってなった時、その方たち全員を幸せにする方が僕らしいなと思ったんですよ。

自分のそのキャリアというよりはどちらかと言ったら、モチベーションややりがい、もっと大きな仕事をしたいと思ったところが、この専従というところにバッティングをした、というのがありました。2025年8月に専従に着任をしまして、その後、前任の委員長が体調を崩されてしまって、委員長を辞任することがありました。期中ではありましたけれども、私が代わりに委員長になったというようなところが、今に至る経緯でございます。

現状の課題

田中:まずは僕が非専従で中央執行委員になったきっかけの一つが、「組合自体があるけどなかった」というところです。すごく言葉遊びみたいになるんですけど、「存在はしているんだけど組合員の意識にない」非常にここが大きいなと感じました。僕が入ったきっかけといいますか、やっぱり専従になるって言った時に「まず専従って何?」っていう話だったりとか。そもそも組合って、言葉は正しいかわからないですけど「なんであえて、労働組合に?」という捉え方をされている組合だったなって今振り返ると思いますね。

私自身が、そこを変えていけるかどうかというようなことは、なかなか想像がついていませんでした。「僕にあるものって何かな」っていうのをやっぱり経験の中で考えていった時に、例えば、話をするスキルであったりとか、資料を作るスキルであったりとか、あとは何よりも大きかったのがコネクションです。25年間勤めさせていただいている中で、人材育成をエリアという単位で、主にやらせていただいていたことがあるんですね。

そういう方たちが実は今非常に活躍をされて、海外で今ベトナムの社長をやられたりしており、そういう方たちがいる。そのような方が後輩におり、人に恵まれていると実感します。社内で田中っていう苗字が多いので、僕は「克哉さん、克哉さん」と皆さんに言っていただけて、これを使わない手はないなというふうに思って、組合に来たっていうような状況で、なので、まずは今、課題感として持っているものというのは2026年度に関して言うと、「あるんだけどない」っていうことが無いようにしたい、「良品計画に労働組合がある!」という存在意義を見出していきたいということを非常に強い思いとして今持っています。

課題に対して取り組まれている施策

田中:まずは草の根運動をしました。あとは何よりも、僕と同じタイミングで専従になった書記長の田中いずみさんというこの2人は、社歴が長いもので、やはりコネクションだったり、知っている人が多いですよね。それから組合に行ったという話から「組合で何をしてるんですか?」みたいな話などをちょっとずつ広げていくところから、まずは草の根運動をしていきました。というのが人事回報の一番上に僕といずみさんが乗ってしまったっていうのがありまして、たまたまみたいなのですけど、それをオンライン上のホームページで閲覧する形になっているので、そこの窓のところに「田中克哉、田中いずみ」という名前が常に出てたんですよね。そういうのもちょっと大きかったのかなと。だから運も持ってたのかなと思います。

あと進めていったっていうところに関しては、タイミングがちょうど僕は良かったなという風に思っていまして、8月に、当社は春闘ではなくて会計基準が8月決算なのですよね。その為、ベースアップ等々の交渉っていうのは、秋の交渉みたいになるので、その時にちょうどベアと、休日増と、あとはその地域限定社員の処遇の改善っていうところが、ちょうど私が専従に着任をしたタイミングで、合意をしました。「これは使おう」って思ったんですよね。「これは絶対にみんなが注目する」。その時にじゃあネタを持っているけど出し方をどうするかっていうのを考えた時に、要はまさにTUNAG for UNIONでの出し方というところをやっていきましょうと。その時に、文字だけではなくて、動画がTUNAG for UNIONは使えますので、動画できちんと説明をしましょうよと。

そういうことをどんどんやっていったっていうような形です。その時のビューが一番今も多くて、やっぱりそういうところから組合に関心を持つというところが広まっていったなとすごく感じています。最終的に実感したのは実は定期総会なのですけど、臨場で基本的には定期総会を行っていたんですけども、今までは無理やり30人呼んでいたみたいな。でも今回は無理やりではなくて案内を出しただけで90人来たのですよ。

それがまあ本当に前任の委員長もびっくりをしているぐらいの感じでしたし、そこが逆に僕らが声をかけた総会代議員の方たちっていうのは、僕らの知り合いだったりとか、いずみさんの知り合いという方たちが多かったっていうところもありまして、そういう意味でコネクションを作りながら、身近で深いところの人たちを取り込んで、そこから枝葉に分けていくっていうような組織の活性化というのを進めていったかなっていう風には今思っています。

今、一番大事にされていること

田中:「公平で公正であろう」っていうことを、今、労働組合としてすごく重要視しています。組合という仕事を始めて、これで約半年弱ぐらいなのですが、大きな意見、大きな声の塊っていうことにクローズアップをしがちだったりとかするんですが、実は1の意見もすごく大切だったりするなっていうふうには思うんですね。ある人たちが得をするというのはちょっとあれかもしれませんけども、利益を得ることができるんだけども、ある人たちはそこを得ることができないっていうようなこと自体にならないように、「常に公平で公正にあるべき」だよねというようなことは、まさに良品計画労働組合の専従というか、組合活動で大切にしていることなのかなっていうふうなところです。

これは実は組合の委員長になったからということではなくて、北日本のエリアマネージャーの時から、また店に行くたびに私が店舗のスローガンとして抱えていけていたことがありまして、それが「誰かのせいにするのではなく、誰かの為に仕事をしよう」ということを掲げていました。誰かのせいにするっていうのはすごく楽なのですよね。でもそうじゃなくて、やっぱり誰かのために仕事をしていく気持ちだったりとか、誰かのためにアシストをするっていうような気持ちっていうのは、すごく難しいんです。でもその気持ちを持った時にチームビルディングが非常にうまくいくんですよね。

誰かを責めるわけではないので、実は助け合うというような気持ちによって、チームビルディングができると。ですので、組合っていうようなところはまさにその最たるものなのかなと思っています。私個人としては、常に「誰かのせいにするのではなく誰かの為に」っていうことを思って、今委員長もやっているっていう状態です。

今後の理想の組織像

田中:基本的な考え方としては「組合員を少しでも数の論理で増やしていきたい」というところはあります。労働組合の3カ年の計画を立てていって、それもTUNAGにもアップをしていて、「こういうふうなことをやっていきますよ」っていうようなことを組合員にも周知はしている状況ではあります。とは言っても、今、100%組合員に対しての組合活動ができているかというとそうではない状態。ですので、まずはその目先のところで、「数の論理だ」というようなことはもちろん組合ではよく言われるんですけども、まずは、足場を固めてから、きちんと次のステップ、次のフェーズに行かなければ、全く意味がないことになると思います。

まずは進めなければいけないところというのは、そういうふうなところかなというふうには思っているのもあります。あとは細かい施策、政策的なところも、3カ年でプロットしておいておりますので、ある程度そういうところが、きちんと巡航速度で、みんなが同じ方向を見ながら、専従がターゲットを持って進めていけるような形というのは、「組合なんだけど会社っぽい」っていうか、組合を経営するという意識が理想であると考えます。それは私がやっぱり店長だったり、マネージャーだったりをやっていた経験から出てきているのかなと思います。

〜田中様、ありがとうございました!〜

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この記事を書いた人

「for UNION」編集長。
2020年にスタメンに新卒入社。
その後、2022年1月に労働組合向けアプリ「TUNAG for UNION」を立ち上げ、現在はマネージャーとして、事業拡大に従事。

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