【フジクラ労働組合】組合活動を自分事と捉えて全員が一体となって活動し、モチベーションを常に持ちながら働ける組織を作りたい。
光ファイバケーブルやファイバ融着接続機などを製造開発している株式会社フジクラの労働組合の中央書記長 三山様(写真左)と中央執行委員 湯浅様(写真右)に、労働組合の未来についてお話をお伺いしました!(以下、敬称略)
組織概要と自己紹介
組織概要
湯浅:当社は、主に光ファイバケーブルや融着接続機、電子部品、コネクタ、自動車関係の電装品などを製造開発しています。国内外に多く拠点があり、グループ全体で見ると、従業員は約5万人、国内は約2500人ですので、海外が多くを占めています。弊組は、組合員が約1550名おり、東京本社に約350名、千葉県佐倉の工場に約1050名、三重県鈴鹿の工場に約150名おります。組合役員は17名、このうち専従者が7名、非専従者が10名です。専従者は、上部団体の全電線に1名、中央に4名、佐倉に2名です。非専従者は、本社に4名、佐倉に3名、鈴鹿に3名います。
自己紹介
三山:私は、労働組合6年目です。弊組には、労組OBの方が担っている役員選考委員会があり、この委員会で組合役員の選考・選出を行っています。私は7年前に、お話をいただきました。最初にお話をいただいた年は育児が忙しかった関係で上司が断ったのですが、翌年から引き受けて組合に関わることになりました。それ以前は、組合に関わることが少なかったのですが、近所の方が労働組合役員をやっていたこともあり、何となくどんなものなのかは知っていたことと、ちょうど職場でやりたいことがやれなかったり、人間関係で悩んだりしていたタイミングだったということもあり、心機一転良い機会だと思い引き受けることにしました。1期2年の任期ですので、務まらないと思えば2年で終えてという感じで始めました(笑)ただ元々、人の為に働く仕事は嫌いではなく、実際にやってみて面白さややりがいもあり、今も続けています。
湯浅:組合歴としては、今年で4年目になります。私はもともと、2012年と2013年に、労働組合内の組織である青年女性委員会の委員を務めていました。青年女性委員会は、人間形成や仲間作り、社会貢献に繋がる活動などを行っており、次代を担う若年層の育成を目的としています。主には、レクリエーションの企画や運営、地域の社会貢献活動、独自の機関誌作成を行っていました。ここでの経験で、少しではありますが、労働組合がどのような活動をしているのかというのを理解しました。おそらく、こういった経緯もあり、役員選考委員会の方に選んでいただいたのかなと思っています。
注力している業務
湯浅:今年度は、財政や上部団体・内部の調査関係を担っており、注力しているのは教育宣伝です。主だったところでは、今年3月にTUNAGを導入させていただき、その運営をしています。他には年4回発行の機関誌は、物価上昇の影響により今年4月から外部業者に任せていた編集印刷発行業務の一部を内製化したため、これらの業務も行うことになりました。従来よりも3分の2程度に費用を抑えることができ、内製化によりカラー印刷に変更したことで組合員の方からも反響をいただいています。
フジクラ労働組合様の現状や課題
三山: 10年~20年前に比べ会社規模が縮小したことにより、組合員数も減少、それにより組合費収入が減っています。そのため以前は、中央と4支部あり、中央は全員専従者で5〜6名、各拠点にも専従者が1〜2名いたのですが、現在は専従の役員数が減っています。また、組合員数の減少により、職場人員も減少していることから労組役員を出してもらえない課題があります。専従者の減少、役員数の減少により、進めたい取り組みが、なかなか進まない状況になっています。こうしたことから、労働組合もデジタル技術を使って組合業務を効率化する必要があることからTUNAGを導入させていただきました。
以前は、紙配布が主流で数千枚の印刷、資料に誤りがあれば修正して再印刷と作業負荷が高かったのですが、人手不足の中で当然同様の対応はできないですし、時代にも合っていないことから、定型作業はデジタル化を進め、本来組合としてやるべきことに注力していきたいと思っています。現在、機関誌も冊子で組合員さんに配っていますが、在宅勤務も普及したことにより見てもらえていない現状からも、将来的にはこれらもデータ配信していきたいと考えています。
湯浅:教育宣伝担当としては、労働組合の活動内容や発信している情報が組合員一人一人にしっかりと伝わっていなかったり、興味関心を持ってもらえていなかったりというところが課題だと思っています。組合側の発信を増やす、発信している内容をもっと分かりやすくすることが必要だと思っています。組合の活動内容に関しては、年20回程度、職場代表の方を集めて行う代議員会内で報告していますが、そこでの資料も一人一人にしっかり行き渡っていないというのが現状です。
そこで、組合の活動内容をより分かりやすく組合員さん一人一人に知っていただき、興味関心を持っていただくためのツールの一つとして、スタメンさんのTUNAGを導入させていただきました。スマホからいつでも好きな時に見ることができ、なおかつこちら側もタイムリーに情報を発信できるため、とても良いツールだと思っています。
春闘や秋の交渉以外に、上部団体や内部での学習会・セミナーなどに参加することが多く、これらの細かい活動を従来の機関誌や代議員会では報告しづらい部分がありました。しかし、アプリであればそれが容易にできるため、普段どんな活動をしているのかを常に可視化できるようになりました。今は、アプリのログイン率向上に向けて試行錯誤しているところで、直近では、紙媒体で行っていた年金共済の認知度調査をアプリで実施しています。
組合活動の中で大事にしていること
三山:労働組合の存在や労働組合の取り組みについて、より多くの方に認知してもらいたいと思っています。労働組合は、平穏時あまり目立ちませんが、組合員さんが困った時にその存在が目立ちます。組合員さんが困った時は、組合員さんの要望が通りづらい状況が多く、結果的に組合員さんは労働組合に対して良い印象を持たず、労組役員もモチベーションが上がらず早期に退任してしまいます。そうではなく、日頃の取り組みからより多くの組合員さんが興味を持ち、携わってもらえるように意識して取り組んでいます。
湯浅:TUNAGで発信を行う際には、やはり文章だけだとなかなか読んでいただけないと思うので、なるべく写真や画像を多めに添付して視覚的に理解していただけるように工夫することをポイントとして大事にしています。
フジクラ労働組合様が今後取り組んでいきたいことや組織の理想像
湯浅:まずは、アプリのログイン率向上に取り組みたいです。機関誌は、カラー化して以前より見やすくなりましたが、内容が従来とほぼ同じですので、そこを変えながら情報発信をしていきたいと思ってます。例えば、組合員さんにどういった内容がいいのかというアンケートを取ってそれを反映させた内容にしていくというのも良いかなと思っています。
また、組合役員だけではなく組合員の方々も組合活動を自分事と捉えて全員が一体となって活動し、モチベーションを常に持ちながら働ける環境を作っていくことが理想の組織像だと考えています。そのためには、我々が組合の目的や活動内容、情報等をしっかりと発信して意見交換も行いながら組合員の方々に興味関心を持っていただけるようにしたいと思っています。そして、組合員の方々が活動に積極的に参加し、労働組合と組合員が一体となることで理想の組織に近づけるのかなと考えています。
三山:理想像としては、湯浅さんと同じ考えです。やはり、自分ごととして捉えていればTUNAGも見てもらえると思いますし、どうして労働組合があるのかというところも含めて認識してもらえるようになれば良いなと思います。理想像に近付けるため、現在、色々と取り組んでいますが、まずは労働組合自体がやるべきことをもっとしっかりとやっていかなければならないと思っています。例えば、会社との協議について、もっと多くの組合員意見を伝えられるようにしていかなければならないと感じています。
また、未来という点で考えると、引き継ぎ体制を改善していきたいと思っています。現在、多くのことをより良い形となるように変えていますが、今やっている労組役員が永遠にできるわけではないので、改善した内容をしっかりと引き継いでいけるような体制を整えようと取り組みを始めているところです。現状は、自分の中での考えがまとまらず周りに迷惑をかけてしまっていますが(笑)今後、しっかり体制を整えていきます。
〜三山様、湯浅様、ありがとうございました!〜