労働組合のアンケート回答率を上げるには?協力してもらうためのポイントを解説

目次

労働組合でのアンケートの重要性

労働組合内でのアンケートは、組合員の要望や期待を理解し、組合の活動方針に反映させる上で欠かせません。

特に、賃金要求に関するアンケートは、組合員の期待する水準を明らかにし、組合運営の基盤を築く上で重要な情報源となります。さらに、組合員が組合に何を求め、どのような期待を抱いているのかを明らかにし、それを活動方針に取り入れることも、アンケートを実施する大きな目的の一つです。

組合員の実際の状況に基づいた方針を策定することで、組合員の満足度を向上させ、より良い組合運営に貢献します。

とはいえ、アンケートを回答するというのは組合員にとっては多少なりとも面倒な業務であり、回答してくれないことも多いです。

しかし、アンケートへの回答は組合員にとって負担となる場合もあり、回答率が低いことが課題となることも少なくありません。組合の執行部は、アンケートの回答率を上げる方法に頭を悩ませることがあるでしょう。そこで、労働組合のアンケート回答率を向上させるための実践的なアプローチについて、以下で詳しく解説します。

労働組合のアンケート回答率を上げるためのポイント

アンケートの回答率を上げるためには、次の2つのことを意識しましょう。

負担を減らす

アンケートの設計においては、組合員が感じる負担を最小限に抑えることが重要です。長すぎるアンケートや複雑な質問は回答の障壁となり得ます。

例えば、20問を超えるアンケートではなく、最も重要な5~10問に絞り込むことで、組合員がアンケートに取り組みやすくなります。また、質問の言い回しもシンプルに保ち、専門用語の使用は避けるべきです。

これにより、組合員がアンケートに対して抱く心理的な負担が軽減され、回答率の向上が期待できます。

協力したくなるように動機づける

組合員がアンケートに協力したくなるような動機づけも、質問設計の重要な要素です。

アンケートの目的を明確にし、組合員がその目的に共感できるような内容にすることが大切です。例えば、「組合の福利厚生を改善するためのアンケート」といった具体的な目的を提示することで、組合員は自分たちの回答が直接的な改善につながると感じ、より積極的に協力するようになります。

また、アンケート結果がどのように活用されるのかを事前に伝え、組合員がアンケートへの貢献を実感できるようにすることも、協力を促すために有効な手段です。

アンケート回答の負担を減らすための工夫

労働組合のアンケート回答率を上げるためには「負担を減らす」と「協力したくなるように動機づける」の2つが大切です。ここでは、「負担を減らす」ための具体的な工夫について紹介します。

設問数の最適化

アンケートの設問数が多すぎると、回答者は圧倒されてしまいます。

10〜15問程度に絞り込むことで、回答者の負担を軽減し、回答率を向上させることができます。重要な質問に焦点を当て、余分な設問は削除しましょう。

記述式ではなく選択式を基本とする

記述式の質問は回答者にとって時間がかかり、負担が大きくなります。

選択式の質問にすることで、回答者は簡単に選択するだけで済むため、スムーズに回答を進めることができます。例えば、「はい/いいえ」や5段階評価などが効果的です。

関連性のある質問をグルーピングする

同じテーマやカテゴリーに関する質問を一つのグループにまとめることで、回答者は質問の文脈を理解しやすくなります。

これにより、回答の一貫性が保たれ、回答者の混乱を防ぐことができます。

メールの件名をわかりやすくする

アンケート依頼のメール件名は、回答者がメールを開くかどうかの決め手となります。

件名に「アンケート回答のお願い」と具体的な内容を明記することで、回答者の関心を引き、メールを開いてもらいやすくなります。

所要時間を記載する

アンケートにどれくらいの時間がかかるのかを明記することで、回答者はアンケートに取り組む準備ができます。

「本アンケートは約5分で完了します」といった具体的な時間を伝えることで、回答者の不安を軽減し、回答率を向上させることができます。

期限を明確にする

アンケートの回答期限を明確に設定し、メールやアンケートフォームに記載することで、回答者に締切意識を持たせることができます。

期限があることで、回答を先延ばしにせず、迅速に回答してもらえる可能性が高まります。

メールを確認しやすい時間に送る

回答者がメールを確認しやすい時間帯にアンケート依頼を送ることが重要です。

例えば、業務時間の開始前や終了後、休憩時間などが適しています。回答者の生活リズムに合わせてメールを送ることで、メールを見落とされるリスクを減らすことができます。

アンケート専用の時間を設ける

組合会議やイベントの際に、アンケート回答のための時間を設けることで、回答率を向上させることができます。

会議の最後に数分間をアンケート回答の時間として確保するなど、回答者がアンケートに集中できる環境を提供しましょう。

アンケート回答への協力を動機づける工夫

では次に、労働組合のアンケート回答率を上げるために「協力したくなるように動機づける」方法について紹介します。

アンケートの趣旨を明確にする

アンケートの目的が明確であれば、組合員は自分の回答がどのように役立つのかを理解しやすくなります。

例えば、「組合活動の改善」や「職場環境の向上」など、具体的な目標を伝えることで、組合員はアンケートへの協力意欲を高めるでしょう。

回答特典・謝礼を用意する

小さな謝礼や特典は、アンケートへの参加を促す強い動機になります。

例えば、全員にカフェのドリンク券を提供する、または抽選でギフトカードをプレゼントするなど、参加への感謝を示しましょう。

アンケート結果の反映を報告する

組合員が提供した意見がどのように活用されたかを共有することで、彼らの貢献が実際に組合活動に影響を与えていることを実感できます。これは、次回以降のアンケートへの参加意欲を高める重要な要素です。

個人情報の取り扱いを明記する

アンケートに回答する際のプライバシーへの懸念を払拭するために、個人情報の取り扱いに関するポリシーを明確に伝えましょう。これにより、組合員は安心して意見を共有できるようになります。

他の人が答えてくれるとは思わせない

「あなたの声が重要です」というメッセージを伝えることで、組合員一人ひとりの回答が組合活動に大きな影響を与えることを理解してもらいましょう。

これにより、彼らはアンケートへの回答をより責任感を持って行うようになります。

組合員が参加しやすい環境を整えよう

この記事では、労働組合でのアンケートの役割と、組合員が積極的に回答するための方法について説明しました。大切なのは、アンケートを手軽に回答できるようにすることと、組合員が喜んで協力したくなるような仕掛けを施すことです。

また、アンケートをどのように実施するかも重要です。多くの組合が紙やWebフォーム(Googleフォームなど)を利用していますが、これらは他の書類やメールに埋もれて見過ごされがちな点があります。

スマホアプリを活用すると、プッシュ通知で直接組合員に連絡ができ、リマインダー機能でアンケートの回答を忘れないように促すことができます。

アンケートに限らず、組合活動の方法を見直すことも、組合員が参加しやすい環境を整える上で効果的です。

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この記事を書いた人

筑波大学国際総合学類卒業。2023年にスタメンに入社し、人事労務・情報セキュリティに関するデジタルマーケティングを担当。 現在は「for UNION」の立ち上げメンバーとしてメディア企画に従事。

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