【カリツーグループ労働組合】組合員の立場になって、「どうすれば喜んでもらえるか」を大事に組織を作っていきたい。

貨物自動車運送事業を中心に事業展開しているカリツーグループの企業内組合で組織されるカリツーグループ労働組合の中央執行委員長の鈴木様(写真左)と事務局長の廣畑様(写真右)のお二人に、労働組合の未来についてお話をお伺いしました!(以下、敬称略)

目次

組織概要と自己紹介

組織概要

鈴木:現在、カリツーグループ労働組合でほとんどの活動を行っていますが、当初はカリツー労働組合というどこの上部組織にも加盟していない単一組織で活動していました。この組織は現在、結成から59年経ち、独自の路線を歩んできました。このような中で、会社の規模も拡大し、10年ほど前から各拠点に100%出資の子会社設立が始まり、まずは東日本、その数年後には北海道、九州と6年の間に3拠点が設立されました。

私は元々、カリツー労働組合で執行委員長をやらせていただいていた中で、子会社も一緒に活動できたらという思いもあり、色々と勉強しながら東日本・北海道・九州とまずは単組を結成して参りました。結成後、やはり単組だけではまとまらないということで、あくまでも企業内組合の集まったカリツーグループだけの上部組織を作ることになり、「カリツーグループ労働組合」を結成しました。大半の活動をカリツーグループ労働組合にシフトしていきましたが、単組それぞれの交渉事については、それぞれの委員長が担い、カリツーグループ労働組合がまとめ役を担っています。私も結成当時から中央執行委員長をさせていただいていますが、現在結成から5年が経過したところです。

現在の規模でいうと、全体で2,900名程在籍しています。単組のカリツー労働組合だけで考えると、10年で700名程増え、2,600名程になっています。2,900名中2,600名であるため、大半の組合員がカリツー労働組合に在籍をしていることになります。このような構図で、現在組織が成り立っています。

また、タイにも拠点がありますが、風土の違いもあるためまだ組合の結成はしていない状況です。しかし、同じ子会社で一緒に働く仲間として考えるべきかどうかということはもちろん議論しているため、将来的には組合結成という選択もあるかもしれないと思っています。

組合に関わる経緯や役員になるきっかけ

鈴木:元々、カリツー労働組合に在籍していた中で、20年程前に組合の役員である代議員に声を掛けて頂き、そこから少しの期間、副議長を務めておりました。その後、執行部に籍を置き、のちに副執行委員長という立場で12年ほど経験させていただきました。その後、執行委員長をさせていただき、現在11年程経っているところです。また、4つの組織のカリツーグループ労働組合を結成したのが5年程前になりますが、中央執行委員長をさせていただいき現在に至っています。

全般的な業務としては、根本にはやはりカリツー労働組合が土台にあるため、その中でまず様々な議案や企画を持ち上げて議論し、ある程度素案をまとめた上で、グループの加盟組合の執行委員長で形成する代表者会議で、理解活動を進めます。そして、そこでの承認をいただいた後にカリツーグループ労働組合として全体で活動していくというような構図で現在は様々な企画を増やしているところです。TUNAGもこの取り組みのひとつで契約をさせていただきました。

廣畑:カリツーへ入社してから長年、現場で勤務しておりまして、12年ほど前に労働組合へ出向となり、書記として業務を行ってきました。元々カリツー労働組合は、男性ばかりの執行部だったのですが、会社でも女性の総合職を採用するようになってきたこともあり労働組合でも5年ほど前に女性役員を募集し、その際に執行委員に立候補させていただきました。それから執行部として活動を行い、今期から書記長を務めさせていただいております。

また、カリツーグループの中でも事務局長として、加盟組合の執行委員長をはじめ執行部の方達と共に活動しています。労働組合の専従者は鈴木と私の2名のみで、東日本・北海道・九州の執行委員長は非専従なので業務を行いながら組合活動を行っております。カリツーグループ労働組合の事務局としても運営を行い、代表者会議で各組合の執行委員長と共に意見を共有しながら活動をしています。

注力されている業務

鈴木:中央執行委員長としては、加盟組合の組織間でのバランスを保つことに気を使っています。同じグループの中でもそれぞれの土地柄や特性もあるため、話の持ち上げ方やプロセスなども含めて組織間のバランスを考えていくのが私の役割だと思っています。TUNAGに関してもその中の一つの企画として、導入させていただきました。アプリで全てが完結できる仕組みやペーパーレス化、工数の削減などが当初の大きな課題として挙げられていた中でTUNAGを導入させていただき、カリツーグループ全体で北海道から九州まである多くの拠点で今までになかった情報共有ができるようになりました。

また、情報源の確保というのも委員長になった際の課題でした。カリツーの中だけではなかなか得られないこともあります。もちろん、自動車部品輸送というところで大きな労組もたくさんあるため、私なりにそことの繋がりを持てるような活動を行うことも大きな役割です。外部との接触をより多く増やして労働組合や市議の方と交流を持つことで、様々な情報を得ていきたいと思っています。

廣畑:今期、カリツー労働組合で組織改革を行いまして、元々代議員と執行委員で組織されておりましたが、今回、職場委員、代議員、職場委員長、執行部というように役員の役割を増やしました。今年から始まったばかりなので課題も多くありますが、問題点を少しずつ改善することに注力し、良い組織にしていければと思います。

また、会議体も増えてきていて、会議での意見の吸い上げや、その後の展開やこちらからの回答出しなど、一方通行にならないように努めています。私自身も組織改革で、書記長をサポートする書記の立場から書記長という立場に変わったことで、更に役割が増えましたが、頑張っていきたいと思っています。

カリツーグループ労働組合様の現状やお取り組み

「組織改革」の背景

廣畑:カリツー労働組合として組織改革を行う前は、執行部が23名と代議員が各拠点に2名ずつで役員を設けていました。ただ、拠点によっては10名前後のところもあれば100名以上の拠点もあり、代議員2名で組合のことに関して展開し、意見の吸い上げを行うことが難しいのではないかという課題がありました。そこで、意見の吸い上げや展開などをしっかりできるよう、地区ごとに職場委員長を設け、改革を進めてきました。

鈴木:専従者が2人だけだということや書記が不在になったという経緯もあり、新しく雇用しようかという話もありましたが、その前に自分達でできることは何かということで「組織改革」を行いました。情報を発信するだけで何も反応がないというのは良くないと思っています。発信だけではなく流通を良くしようということで、組織改革やTUNAG導入などの取り組みを進めてきました。

ただ、情報の流通を良くするためには、事務局の負担が大きくなり工数がかかってきます。そんな中、TUNAGは、工数削減に大きく関わってくるのではないかと思っています。専従者2人だけだという点は、他労組さんからもびっくりされるところですし、2人ではやっていけない時期が来ると思います。ただ、誰か新しく雇うにも費用が掛かるため、先ずその費用をTUNAGの費用や組織改革の費用に当て、やれることをやってみようという考え方で進めてきて今現在に至っています。

ペーパーレス化に向けて

鈴木:当初、アプリ導入を進める上で「ペーパーレス化・組合員と事務局の双方の工数削減」を一番の目標に掲げていました。TUNAGの導入により、かなり進んできましたが、福利厚生でのチケット発券などまだまだ紙ベースになっている部分もあります。このようなペーパーレス化がまだ十分でない部分を今後さらに進めていき、全てをTUNAGで完結できるような仕組みを作っていきたいと考えています。

これに向けて、週に一回程開催されるカリツー労働組合の三役で構成される労働政策部では、様々な課題について細かく話し合いを行っています。そこからグループ全体に広げていければいいなと考えています。

業務の中で大事にされていること

鈴木:どうすれば喜んでもらえるかなど組合員の立場になって色々な企画を考えていくことを大事にしています。そうすることで、組織内での承認事項を掲げた時もある程度スムーズに理解活動が進んでいくのではないかと思っています。

また私は、「無理」とかいう言葉はあまり好きではないので、「こうしたらできるんじゃないか」とか「少し形を変えたらできるんじゃないか」とか常にポジティブに色々なことに取り組んでいます。様々な課題に直面する中でも、建設的にみんなで話をしていくことを大切にしています。

廣畑:何か疑問が出てきた時には、そのままにせずに解決しながら進めてくということを大事にしています。早めの対応が必要なこともありますので、その時々しっかり解決していくことを意識しています。また、組合員さんから電話で問い合わせをいただくことも多く、対応や発言にも気をつけています。書記長として今まで以上に注意が必要と感じています。また現在、TUANGを利用している中で、職場や組合員さんから登録についてお電話いただく際も、丁寧な対応を心がけております。

カリツーグループ労働組合の未来

今後取り組んでいきたいこと

鈴木:今後何か新しく取り組んでいくというよりも、今あるものや現状の取り組みを定着させ、地盤固めをしっかりとしていきたいと考えています。これまで、様々な企画を1年に1つずつぐらいのペースで議論しながら行ってきました。子会社の単組立ち上げやTUNAGの導入、組織改革などもこの中での取り組みですが、現在なんとなく歯車が回り始めたところで、その後定着させていくことがやはり非常に大事だと思っています。

そんな中で、TUNAGに関しては、やっと導入から1年以上経ち少しずつ皆様に参画していただけるようになっていたり、現在非常に盛んに活動しているサークル活動の申請等も来期から紙を廃止していくことを考えていたりなどTUNAGの定着に向けて進んでおり、今後もTUNAGで全て完結できるような未来を描いています。

現状、TUNAGには8割ぐらいの方に登録していただいていますが、ここをさらに増やしていきたいですね。また、必ずグループでも展開をしていき、組合役員が色々な議論をしながら同じ方向を向いて一緒に活動していける形を目指していきたいと思っています。

廣畑:より組織強化をしていき、良い労働組合になっていければいいなという思いがあります。女性をもっと増やしたり役員の考え方を成長していったりと様々な部分で組織を強化していけたらいいなと思っています。

また、このような中で、「実際労働組合ってどんなところなのか」など新入社員の方に知られていない部分があり、役員を増やしていく中で「労働組合はこういうところだよ」というのを少しずつ伝えていければと思います。

カリツーグループ労働組合は、福利厚生施設がすごく充実していて契約施設が多いため、組合員さんにも多く認識してもらっていると思うのですが、その他の組合活動も、認識してもらいながら組合役員が中心となって色々な活動を進めていけるといいなと思います。

未来のありたい姿について

鈴木:働きやすく時代に沿った労働環境を作っていきたいと思っています。労働環境は昔に比べて大きく変化していますし価値観も変わってきているため、組合の考え方も変わっていくべきだなと思っています。

例えば昔は、有休一つもなかなか取れない環境でした。物流業界での有給取得はなかなか難しいところではありましたが、政府を中心に有給取得の制度が広がってきたことで、組合も声を大きくして言える環境が目の前まで来ているかなと思っています。このような中で今後は、組合がより敏感に感じながら矛先を変えて活動していくというところが必要かなと考えています。

廣畑:将来的に長く続けられる魅力ある職場になると嬉しく思います。現在、どこの会社も人手不足の中で、転職される方も多くみえるのかなと思います。実際うちの会社でもずっと求人が出ている状況ではありますが、職場環境や労働条件など含めて良い会社だと思ってもらえるような職場にしていきたいです。

〜鈴木様、廣畑様、ありがとうございました!〜

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この記事を書いた人

「for UNION」編集長。
2020年にスタメンに新卒入社。
その後、2022年1月に労働組合向けアプリ「TUNAG for UNION」を立ち上げ、現在はマネージャーとして、事業拡大に従事。

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