【アルペン労働組合】対面とオンライン両方が融合しながら新しい形の組合活動をしていきたい。

北海道から沖縄まで全国に店舗を構えているスポーツ用品の販売を展開している株式会社アルペンの労働組合の中央執行書記長の岩﨑様(写真右)と中央執行委員の北原様(写真左)のお二人に、労働組合の未来についてお話をお伺いしました!(以下、敬称略)

目次

組織概要と自己紹介

組織概要

岩﨑:北海道から沖縄まで全国に店舗を構えているスポーツ用品の小売の会社である株式会社アルペンの中に属している労働組合です。現在、組合員数は、2600名程で昨年の秋に組合結成30周年を迎えました。組合としては、北海道から沖縄までの各エリアを割った9支部と本社と倉庫の2支部を足して11支部で活動しています。

専従者については、組合員500名につき1名の専従を置く規定になっているので、私と北原含めて5名が専従として活動しています。組合役員は、専従を含めた中央執行委員が22名おり、11支部それぞれには支部の執行委員という形で支部の人数に応じて役員を配置しております。少ないところでも最低4名おり、関東エリアは組合員数が約600名弱いますので、そこは10名程配置しております。中央と支部が連携しながらそれぞれの活動を進められるような組織になっています。

組合員の範囲は、店長・店舗のエリアマネージャー・東日本西日本という形で地域全体を統括する運営マネジャーになっています。同じような小売の他労組様だと、おそらく店長からは非組合員というのが多いかと思うのですが、弊組は部長以上が非組合員になっています。また、約400ある店舗の店長が職場委員という役職になっているので、何か組合の情報を伝達していただきたい時には、まずは職場委員の方にお伝えして、そこから店舗にいらっしゃる他の組合員の方々に伝えてもらうという形にしています。

自己紹介

北原:私は、地元が愛知なのですが、入社当時の勤務地は東京でした。そこでやはり、仕事とプライベートをうまくやっていけるのかなという思いがあったんです。そんな中、当時の店長から「組合活動に参加すると色々な人と出会えて楽しいよ」という一言を貰い、それをきっかけに参加するようになりました。そこで実際に参加すると色々な店舗の方と出会うことができ、本社の会議室で行われた定期大会では本社勤務の方とも多く知り合えました。仕事とプライベートがかなり充実したというところがあり、その後は組合活動の行事に関してはほぼ100%に近い形で参加させていただいていました。

それから、支部活動のお手伝いをするなど部分部分で組合活動に関わっていたのですが、私が北信越エリアの店舗にいた一年半程前に支部執行委員が足りないという状況があり、そこで支部長へのお誘いがありました。いきなり支部長はどうなんだろうという不安はありましたが、是非やってほしいということで支部長を務めさせていただきました。その後、組合専従の募集がありました。自分の中で色々考え、委員長にも専従になった時の期待や役割などを聞き、是非やってみたいなという思いで昨年の12月から専従者として組合活動を行っています。

岩﨑:私は、入社2年目の秋ぐらいに、支部の執行委員をやってみないかという感じで誘われて組合活動を始めました。当時はまだ、組合についてあまり深くは理解しておらず、どちらかというと飲み会があるとか色んな組合員の方と知り合えるとかそういった楽しい部分が良いなと思って踏み入れました。

支部の活動なので、各支部の集会の運営をしたり、レクリエーションの企画実行部隊として自由に活動していました。とにかくみんなでおしゃべりしたい!と思い、女子会を開いたり、運動会を行った際には、1日マイクで盛り上げる係を任せられるなど楽しくやらせていただいていました。その後は、北原と同じく支部長にも携わりました。そういった中で、組合の情報を組合員の方々にお話しする機会も増えてきて、もう少し色々と突っ込んでやっていくのも面白いのかな、組合員の方達にもっと色んなことを伝えたいな、というように思い始めました。

また、私はずっとスポーツデポで勤務をしていたのですが、アルペンに入社して10年以上が経過し、新しいことにチャレンジしてみたいなという思いがあり、新たな道はないのかなと考えていたタイミングでもありました。そんな時に、ちょうど専従募集があり、一つのチャンスなのかなということで2020年に専従に手を挙げました。

注力している業務

北原:現在は、情報宣伝部と教育部というところで業務をさせていただいています。その中で、組合の情報をいかにリアルタイムで発信して多くの方に共有できるか、組合活動を活発にさせていけるかというところに重点を置いて進めています。また、その中でTUNAGの管理も担当させていただいているので、それも含めて一生懸命にやっているところです。

岩﨑:専従になってからの最初の2年は、福利厚生に関する業務やTUNAGの導入が大きなところでもあったので情報宣伝にかかわる業務をメインに行っていました。私が専従になった時は、ちょうどコロナ禍真っ只中だったので、想像していた専従の仕事ができなかったのが非常に歯がゆい部分ではありました。その中でも何かできることをと思い、他の組合員の方とオンラインを繋いでインタビューさせてもらう活動をやっていました。そして専従3年目には、中央書記長の役職を仰せつかりました。ここからは、何か一つに特化するというよりかは、組合全体を見ながら仕事を進めています。また、支部の方達のサポートもやっているような形です。

アルペン労働組合様の現状や課題

北原:先程、私自身の組合活動の参加が100%に近いというようなお話をさせていただきましたが、現状、組合員さんの組合活動への参加率がなかなか上がらないというところを課題に感じています。弊組は広域なため全国各地色々なところで開催をするのですが、その中でもエリアが広い場所では、集まる場所が遠くて行きづらいこともあります。また、休日を利用して活動するというところもあるためなかなか参加率が上がらないのかなと思います。また、組合の情報もしっかり取ってもらいたいので、現在はTUNAGのログイン率を上げて、いかに情報共有を行い情報を取ってもらうかというところも課題として考えています。

岩﨑:やはり、組合活動は対面で行うというのが非常に大事だと思っていますが、北原が言っていた通り物理的なところでなかなか参加者が集まらないのが一つ大きな課題です。また、それと同様にどこまで直接会う対面での活動を推し進めるべきなのか、オンラインを併用した活動をどこまでリンクさせていくのかという部分のバランスがまだまだ悩みどころだと感じています。オンラインの利便性を活かしつつ対面も大事にしながらやっていきたいと思っていますが、組合員の方からは「オンラインだけでもいい」というような声もあります。そこをどう融合していくか、課題だと思います。そして、先程広域だという話もありましたが、本当に全国に散らばっているので支部の活動が非常に重要になってくると思っています。

我々専従者は名古屋の事務所にいて活動があれば各地に赴きますが、やはり重要なのは、支部の役員の方達がその支部の組合員さんと繋がることだと思います。その中で、支部の方達が組合の理解や学びを深め、組合員の方達に向き合えるようにしていってあげられるか、支部の役員をいかに成長させられるかという部分は悩んでいます。楽しい面も非常に大事ですが、イベントを企画して実施したら終わりという風になってしまうのはちょっと違うのかなと思っています。ただ、あまり負荷をかけすぎてしまうと今後の役員の担い手がいなくなってしまうので、非専従で組合活動を行っている方をどうサポートしてどう成長してもらうかという部分は非常に難しいですね。

組合活動の中で大事にされていること

岩﨑:組合員の方達に組合があるんだよということを伝えていくことを大事にしています。当たり前のことですが、例えば相談窓口では、一人で悩みを抱えてどうすればいいか分からないときに、あなたには相談ができる場所があるんだよ、ということを忘れないでほしいと思っています。また、組合活動に携わることで何か一つ成長が得られるようなことを今後も行っていきたいなと思っています。

北原:私は、自分自身のことをもっと多くの組合員さんに知っていただくためにも組合員さんと接する機会を増やすことを大事にしたいと思っています。私はまだ専従になって半年程なので、私のことを知らない方もまだまだ多いと思います。専従になったことを知らない方もいるので、まずは私のことをアピールしていかないといけないかなとは思っています。北信越の支部長をやっていた時には、全店舗1年間かけて回り、オルグ活動を行いました。顔を売るというか、自己紹介を兼ねて全部回らせていただいたんですよね。

そうすると、繋がりも深まっていき、何かお願いするにしても北原さんが言うならというところで活動に参加してもらえたこともありました。今後は、組合員さんと接する機会を増やし、集会やセミナーなどではその場でしっかりと皆さんとコミュニケーションを取り、組合の話だけではなく何でもざっくばらんに話して距離を近づけていきたいです。

アルペン労働組合様の未来

今後取り組んでいきたいことや理想像

北原:私はやはりオルグ活動を強化していきたいと思っています。支部長の時は実践できていたので、専従になっても全国各地を回りながら色んな人と接点を多く持ち、繋がりを増やしていきたいです。そしてそれによって、組合員の皆さんが意見を上げやすい環境を作っていきたいと思っています。また、単純に組合活動が楽しいと思ってもらい組合が身近な存在になるためにも、まずはコミュニケーションを大事にしながら活動を進めたいと思います。

岩崎:対面とオンライン両方が融合しながら新しい形の組合活動をしていきたいと思っています。多くの組合員の方達に組合活動に参画しているなと感じてもらい、我々もこの方達が参画してくれているなという風に見えるような形の新たな活動というのを今後3〜5年のうちにしっかりと作り上げていきたいと思っています。

30周年のタイミングで今までの組合活動を振り返っているのですが、過去は集まりがあると非常に多くの組合員の方達が集まっていたり、会社に対する色々な改善等もある意味戦うような形が多かったのかなと思います。一方で今後は、もちろん闘う部分もありますが、会社のことを組合員の方たちも我々執行部もしっかり理解して、どうしていけば会社がもっとよくなるのか、我々組合員の生活が豊かになっていくのかというところを、一緒に考えられる協業していけるような形に変化できればいいのかなと考えてます。

過去の良いところは残しながらも新しいスタイルを作っていくことができれば良いなと思っています。

〜岩﨑さん、北原さん、ありがとうございました!〜

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この記事を書いた人

「for UNION」編集長。
2020年にスタメンに新卒入社。
その後、2022年1月に労働組合向けアプリ「TUNAG for UNION」を立ち上げ、現在はマネージャーとして、事業拡大に従事。

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