組合員面談を有意義なものにするポイントは?役立つアプリも紹介

労働組合では、組合員からさまざまな問題を相談されます。面談を有意義なものにするためには、ポイントを押さえた上で相談に応じることが大切です。組合員面談で特に多い相談内容や対応のポイント、面談に役立つアプリを紹介します。
組合員面談で特に多い相談内容と事例
連合が公表する調査結果によると、2024年に全国の地方連合会が受けた労働相談の内容別割合は次の通りです。
- 1位:パワハラ・嫌がらせ(19.1%)
- 2位:雇用契約・就業規則(9.4%)
- 3位:解雇・退職強要・契約打ち切り(8.4%)
- 4位:退職金・退職手続き(7.7%)
- 5位:年次有給休暇(5.4%)
上位三つは順位の変動こそあれ、2024年までの5年間、毎年トップ3に入っています。具体的にどのような相談を受けているのか、これらの相談事例を見ていきましょう。
出典:連合「なんでも労働相談ホットライン」2024年 年間集計報告 P8
パワハラ・嫌がらせ
パワハラや嫌がらせは、近年の労働相談の中でも最も多いテーマです。特に上司からの暴言で悩むケースが多く見受けられます。具体的な相談事例は次の通りです。
- 他の従業員は何も言われないのに自分だけひどく怒られる
- 上司の日常的な暴言に耐えきれず、うつ病のような症状が生じている
- 年配のベテラン従業員から仲間外れにされている
- 「使えない」「役立たず」など人格を否定するような言葉を繰り返し浴びせられる
- 必要な資料やツールが与えられず、業務遂行を妨害されている
セクハラやモラハラなど、ハラスメントに関する相談はパワハラ以外にも数多く寄せられています。
雇用契約・就業規則
雇用契約や就業規則は、会社と従業員の間で守るべきルールを示すものです。会社側が従業員に対して理不尽な要求を行った場合に、雇用契約や就業規則に関する問題として組合が相談を受けるケースがあります。主な相談事例を見てみましょう。
- 「経営が芳しくなく給料をカットしたい」と言われ、素直に従うべきなのか知りたい
- 正社員の同僚が懲戒処分を受け、会社のルールを確認したいが就業規則が見当たらない
- 入社時に口約束で交わした労働条件が守られておらず、従業員としての対処法を知りたい
小規模の会社ではそもそも就業規則がない場合や見られない場合が多く、このこともトラブルに発展する原因の一つとなっています。
解雇・退職強要・契約打ち切り
退職につながる事態が発生した場合も、労働組合への相談が多くなります。解雇・退職強要・契約打ち切りに関する相談事例は以下の通りです。
- 会社から突然退職勧奨されたが、どのように対処すればよいのか分からない
- 退職届を出しても承諾を得られなければ辞められないと就業規則に書いてある
- 競合他社に一定期間就職しないことを約束する誓約書にはサインすべきか知りたい
- 会社から解雇を言い渡されたのにもかかわらず、離職票には自己都合退職と書いてある
解雇・退職強要・契約打ち切りの相談で特に深刻度が高いのは、予告なく解雇や退職勧奨を迫られるケースです。どのように対応すればよいのか分からない組合員からの相談が多くなります。
組合員面談を有意義なものにするポイント
組合員から各種相談を受けた場合は、組合として誠実に対応することが重要です。組合員面談を有意義なものにするためのポイントを解説します。
コミュニケーションの機会を増やす
労働組合は労働者が働きやすい環境をつくるために活動する組織です。不満や悩みを抱えている組合員には、積極的に相談してもらう必要があります。
しかし、組織内でのコミュニケーションが希薄な場合は、組合員も声を上げにくいでしょう。コミュニケーションの機会を増やし、多くの面談につなげることが重要です。
苦情・不満の把握方法には、個別面談以外にもさまざまなものがあります。「職場委員が日常的にコミュニケーションをとる」「組合独自の相談窓口を設置する」「集会を開く」といった方法で、まずは組合員とのつながりを強めていきましょう。
苦情や不満の積極的な解決を図る
組合員面談で苦情や悩みを話してもらっても、解決につながらなければ組合員の不満が増すばかりか、組合の存在意義自体が揺らぎかねません。組合として苦情や不満の積極的な解決を図ることが大切です。
労働組合は数の力で会社と対等の立場になれる組織です。会社との話し合いで解決できそうな問題に対しては、団体交渉を検討しましょう。また、相談内容から労働基準法違反が疑われる場合は、労働基準監督署への相談や告発も一つの解決法です。
面談担当者のスキルを高める
組合員面談では、面談における組合員とのコミュニケーションにも気を配る必要があります。相談することに慣れていない組合員は緊張する場合が多く、重要な内容を引き出せないケースがあるためです。
組合員から相談を受ける面談担当者には、カウンセリング研修で傾聴力を養ってもらうのがおすすめです。傾聴力を高めれば相手に寄り添いながら重要なポイントを引き出せるため、お互いにとってメリットが大きい面談になります。
メンタルヘルス対策に取り組む
パワハラや嫌がらせといった人間関係で悩む組合員は、精神的な不調に陥りやすくなります。会社でメンタルヘルス対策を行っている場合も、会社に不満がある人は会社の制度を利用したがらない傾向があるため、組合としても対処するとよいでしょう。
例えば、組合でメンタルヘルス研修を実施すれば、担当者が精神不調者にどう向き合えばよいのかを学べます。会社側にストレスチェックの実施を促進したり、専門家と連携して具体的な対応の指示を受けたりするのもおすすめです。
組合員面談はTUNAG for UNIONでデジタル化
組合活動の効率化に特化したプラットフォーム「TUNAG for UNION」を導入すれば、組合員面談をより有意義なものにできるでしょう。TUNAG for UNIONの特徴や導入メリットを解説します。
面談窓口を集約できる
TUNAG for UNIONは、従業員エンゲージメント向上プラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」の労働組合版です。組合内の交流促進や情報共有の効率化などに役立てられます。
組合員面談でTUNAG for UNIONを活用すれば、面談窓口を集約することが可能です。相談方法が限定されて相談のハードルが高いと感じる組合員がいても、TUNAG for UNIONならスマホやパソコンから気軽に相談できるためハードルを下げられます。
また、面談窓口が集約されれば担当者の業務負担が軽くなることもメリットです。相談内容によっては匿名での相談も受けられます。
組合活動に役立つ機能が豊富
TUNAG for UNIONには、組合員面談以外のシーンでも役立つ、次のようなさまざまな機能が搭載されています。
- 組合の情報や取り組みを集約して素早く検索できる
- 重要度によって情報の届け方を選択できる
- 各種ツールで組合員一人ひとりの反応が分かる
- スマホやパソコンで気軽に情報を受け取れる
導入後は労働組合に特化した担当者がつくため、導入から定着率向上まで一気通貫で運用を支援してもらえます。
他の労働組合との交流も可能
TUNAG for UNIONの導入後は、他の労働組合との交流もオンライン上で可能になります。産業の枠を超えた組合同士で情報の交換ができるようになるのです。
同じ悩みを抱える他の組織と交流できることは、他のサービスではなかなか見ない取り組みです。現在は多くの組合がTUNAG for UNIONを利用しており、導入後に一気に仲間が増えると心強さを感じられるでしょう。
労働組合向けアプリ – TUNAG for UNION|情報共有、申請手続きをペーパーレス化
組合員の満足度が高まる面談の実施を
労働組合には組合員からさまざまな相談が寄せられます。組合員面談のポイントを押さえ、組合と組合員の双方にとって有意義な面談を目指すことが大切です。
また、TUNAG for UNIONを導入すれば、面談窓口の集約などに役立ちます。魅力的な機能が豊富にそろっているため、日頃の活動にも役立つでしょう。