「組合活動の原点は職場にあり」現場の声に向き合い、アプリでイベントを活性化!プロテリアル労働組合 安来支部の“みんなで創る”組織運営

プロテリアル労働組合 安来支部の松本支部長に労働組合の課題解決から、組合活動で注力した取り組みや成果などの組合活動に従事された振り返りを幅広く聞かせていただきました。
組織概要と自己紹介
— 組織の概要について
松本:もともと日立金属株式会社の労働組合でしたが、2023年の1月に社名が変わり、同じ日に組合名もプロテリアル労働組合に変わりました。本部1つと支部9つで活動しています。各支部で歴史がいろいろある中で、安来支部は2026年で組織結成80周年ということで、記念式典や支部組合員に配る記念品の準備をしております。
もともとの社名が日立金属ということもありまして、完全にものづくりの企業です。特に安来工場は、溶解職場や熱間圧延などの鉄鋼業の事業になります。単純に男女比は9対1ぐらいで、男性が多い支部になります。組合員数は約1,500名で、専従役員が4名、非専従役員が10名で、合計14名の役員体制になっております。
— 自己紹介
松本:安来支部の専従の支部長をやっています。全体の取りまとめや、県知事から任命された外部の役員もしています。
最初は安来支部で、青年女性部の役員をやっていました。日々の仕事が非常に忙しく、ほとんど会議に出れていなかったのですが、若いうちから組合があることは当然把握してました。30代から職場の組合代表者、評議員をやり始めました。4年間務めた後、専従の執行委員になりました。その後、専従の書記長、会計監査、非専従の副支部長を経験しています。2018年から専従で本部中央執行委員として東京で仕事をしていました。そして2022年に安来支部に戻って支部長をしています。
安来支部に戻ってきたのは、定期的な役員改選がきっかけです。プロテリアル労働組合の支部の中で、組合員数は安来支部が一番多いんです。それもあって、過去より安来支部から本部へ1名選出しています。
届かない情報共有
松本:一番の課題は組合員への情報共有だと思っています。ものづくりの会社なので、夜勤や交代勤務の方が多いです。また、仕事場が離れたところに何箇所かあり、一箇所に全員が集まっていません。いわゆる間接職場の方々には社内メールがありますが、現場にはメールアドレスを持ってない方がたくさんおられます。なのでどうしても組合としての情報発信は、今でも紙ベースです。全員配布と職場回覧のパターンがあるんですが、どちらもきちんと情報が伝わってないなとずっと思っています。
実際に組合でイベントをした際、終了後に「あ、そんなことやってたの」とか「ああ、それだったら僕も行きたかったわ」という声を組合員さんからよく聞きました。組合役員はやっぱり機関紙を見てくれます。なのでイベントに来る方がいつも同じで偏ってしまっていました。また、組合の福利厚生もずっと発信してるつもりだったのですが、組合員に届いておらず「施設の割引をもらえなかった」ともよく聞いていました。
そんな状況の中で、組合役員から、配布物を含めてなんとかしてもらえませんかとずっと言われていました。組合役員が結局「機関紙を配布をする人」になっています。結局紙を全員配布すると1,600枚ほど刷るんですよね。印刷にも、全員の手元に行くまでにも時間がかかっていたので、タイムリーではないなと問題意識を持っていました。
アプリケーションを用いたイベントの活性化
松本:メールを持っている人とメール持ってない人との差はやっぱり良くないと思っています。 そこでアプリケーションのTUNAG for UNIONを導入しました。
ーイベント①
松本:50歳以上の組合員を対象としたレクリエーションをやっているんです。今回は1泊2日で「大人の修学旅行 in 広島」をやりました。参加者は40名程です。その際事前に参加者へ、アプリのダウンロードを呼びかけました。当日までの連絡はアプリのチャットの中でやりたいという意図です。
バスでの移動中、写真の投稿方法をレクチャーしました。当然初めは自分を含めた組合役員が積極的に色々な写真を撮って投稿していましたが、途中から参加者も投稿し始めてくれました。夜の懇親会後の二次会の様子や、カラオケの様子の写真などですね。このレクが終わってから「大変楽しい企画をありがとうございました」と伝えてくれる参加者もいたので、これはいいなと思いました。参加者だけのチャットグループは、使えるなとも思いました。
1泊2日は今回が初めてで、それまでは観光やバーベキューをする程度の日帰りでした。今まで組合員からの写真の投稿はなかったんです。我々役員が撮った写真を機関紙に載せていましたが、共有は全然できていなかったです。アプリを使ったことで、写真の量は大きく増えましたね。
ーイベント②
松本:2026年6月に電機連合の島根地域協議会という組織でファミリーイベントをしました。地引き網をするんですよ。今までこのようなイベントの際には、組合員にはチラシを配布したり、組合役員にはメールで送ったりしていました。今回はアプリを使ってイベント参加者の募集をしました。するといつになく参加希望の方が来られたんです。安来支部の中から19組、約70名です。今まで20名、30名ほどの参加者だったので驚きました。「こんなに今まで出てなかったよね」と書記長とも話しましたね。もともと全体の定員が100名でしたが、結局160名に増えたんです。
他にも全組合員を対象としたレクリエーションや、青年部のバーベキュー、大縄跳びのジャンプ大会もやっています。これらは安来支部が主導でイベントを行っています。イベントの具体的な詳細は、支部が主体的に決めています。
組合員一人一人の声を取りこぼさない
松本:我々安来支部では「組合活動の原点は職場にあり」という言葉を大事にしています。会社の景気の悪化の際、会社の施策に対しての意見が増えます。また鉄鋼関係の業種業態になるので、職場の暑熱対策や労働環境に関する意見も多いです。組合員数が非常に多いので、いかに一人一人の色々な意見を聞くかが、重要だと思っています。
ただ一方で、多分どこの組織にもあると思いますが、大きな声に流されるパターンとならないように気をつけています。職場の意見なのか、個人の意見なのか、見極めを慎重にしていく必要があると思っています。よって現場に出て「どう最近?」や「暑いね」など組合員に声をかけていますね。
様々な職場の意見を伺った上で、執行委員会の中で話題に挙げ、役員の話を聞いています。昔、私が役員なりたての時期の執行委員会は、発言しにくい雰囲気がありました。ずっとこの雰囲気は良くないなと思っていたので、自分が支部長になってから、少しでも皆が活発に話してもらえるような雰囲気を意識しています。
ー評議員会を開く
松本:評議員会という機関会議を月2回開催しています。執行部からの報告や項目ごとの詳細な取り組み方法に加え、工場からの申入れ等を審議・決議を行っています。リーマンショックの時代は業績も厳しく時間外手当の割増し率を法定まで下げるなどの施策もあったので組合役員から職場の意見として積極的に発言していただきました。
工場の業績が厳しい時は収益確保となるような施策が工場から申し入れられます。ただ、事前に工場より施策に対する相談もあり、執行部で議論を重ねながら工場と折衝し組織確認をしていきます。基本は評議員全員の賛成となるよう組織運営を行っています。
組合活動をみんなで
松本:組合員の雇用や、ご家族も含めた生活の安心、安定を作っていかないといけません。安来支部だけじゃなく、プロテリアル労働組合全体としてこれを思っています。組合員数が多いので、組合役員も、組合員も、やっぱりみんなで団結することを目指しています。
プロテリアル労働組合全体で、2年に1回、組合員対象に意識調査をやっているんです。 その中に「あなたはどれぐらい組合活動に関心持ってますか?」という質問があります。回答としては、「大いに関心がある」と「まあまあ関心がある」で6割ぐらい、「あまり関心がない」と「全く関心がない」で3割ぐらいです。結局のところ、こうした結果が出たのは、安来支部において情報共有が十分にできていないためではないかと考えています。関心の無い方がまだ一定数います。またこの意識は、コロナが明けても職場の忘年会や新年会に、なかなか全員が集まらないことにもつながっていると思います。
ですので、目指すべき姿は「みんなで組合活動をやる」ことだと思っています。「組合があってよかったな」と思ってもらえる組織にしたいです。ちょっとした困りごとでも、組合に相談したら良い方向に向かったと思ってもらうことを目指しています。
〜松本様、ありがとうございました!〜




