労働組合の加入促進のポイント!説明会を成功させるコツも解説

労働組合の組合員が増えない理由には、「メリットを感じない」「周囲が加入していない」などがあります。加入促進のポイントを理解し、効果的な取り組みを進めることが大切です。労働組合で一緒に活動する仲間を増やすためのコツを解説します。
従業員が労働組合に入らないのはなぜ?
従業員が組合に加入しない理由は多岐にわたります。効果的な加入促進の取り組みを進めるためにも、まずは組合員が増えない原因を押さえておきましょう。
組合加入への抵抗感が生じる理由
厚生労働省が2019年に行った調査によると、組合加入への抵抗感が生じる理由で最も多いのは「労働組合や組合活動に興味がないから」です。次に多いのは「加入するメリットが見いだせないから」、その次に多い理由は「周囲に加入者がいないから」となっています。
「組合に興味がない」「メリットが分からない」といった理由で加入しない人に対しては、メリットを説明しつつ興味を持ってもらえるような勧誘活動が必要になるでしょう。
また、周囲に加入者がいないことを理由にしている人は、組合員が増えていけば気持ちが変わる可能性があります。
組合員を増やすメリット
労働組合に加入するかどうかは労働者の自由です。ユニオンショップ制の例外はありますが、そうでなければ組合側が加入を強制することはできません。
しかし、「入りたい人だけ入ってもらえばいい」という意識で活動を進めると、組合員が増えずに数の力を発揮できなくなります。組合員の数は交渉力の源泉であり、仲間が多いほど要求が通りやすくなるのです。
加入促進の取り組みは、組合における重要な活動の一つと位置付ける必要があります。加入できる人を正社員のみに限定している場合は、より多くの従業員に入ってもらえるように、対象者の範囲をパートやアルバイトまで広げておきましょう。
労働組合の加入促進のポイント
組合で一緒に活動する仲間を増やすためには、具体的にどのような取り組みを進めればよいのでしょうか。労働組合の加入促進のポイントを見ていきましょう。
労働組合に加入するメリットをアピールする
組合未加入の従業員の中には、労働組合のことを全く知らない人も一定数存在します。また、自分で見聞きした情報による偏った認識を持っている人も多いでしょう。
加入促進の取り組みを検討する際は、組合に加入するメリットを具体的に示す必要があります。労働条件の改善や賃金アップなどを例示すれば、多くの人の心を動かせるでしょう。
実際に組合員として活動している人にインタビューするのもおすすめです。リアルな情報を提供できるため、組合活動への理解をより深めてもらえます。
情報発信のやり方を見直す
組合加入のメリットをアピールできる優れた資料があっても、未加入者に届かなければ意味がありません。ホームページや掲示板などに掲載するだけでは不十分です。
労働組合に興味がない人は、そもそも資料を自分から見に行こうとしません。相手の行動を待つのではなく、組合側から積極的にアプローチすることが重要です。
従業員全員に送れるメールを使えるなら、定期的に情報を発信しましょう。説明会やセミナーを開催したり、気軽に相談できる個別の窓口を設置したりするのも効果的です。
組合活動を活性化させる
労働組合の魅力をアピールするためには、実際に魅力的な活動を行っている必要があります。どのような取り組みがアピールにつながるのか話し合った上で、組合活動をより活性化させましょう。
若手従業員の意見を積極的に取り入れれば、同年代の加入促進につながりやすくなります。親睦会やスポーツ大会といったイベントを実施するのもおすすめです。
また、組合活動のデジタル化を進めておくことも大切です。オンラインで情報共有や会議ができる環境を整えれば、忙しい人でも加入しやすくなるでしょう。
加入促進説明会を成功させるコツ
労働組合の仲間を増やす取り組みの一環として、加入促進説明会を開催するのがおすすめです。説明会を成功させるポイントを解説します。
入念な準備を行う
加入促進説明会を成功させるためには、入念な準備が不可欠です。意識したいポイントを確認しましょう。
- 組合員に当日の協力を呼びかける(サポートが多いほど加入につながる)
- 案内状を全ての未加入者に配布する(参加の有無も確認できればベスト)
- プロジェクターを用意する(資料を映して分かりやすく説明する)
想定される質問の打ち合わせをする
説明会ではさまざまな質問を受けることになるでしょう。よくある質問と模範解答をまとめました。
今すぐ入らないとだめですか? | 今加入すれば今日から組合があなたを守れます。 |
誰かに相談してから決めてもいいですか? | あなたはもう立派な社会人です。働くのはあなた自身なので、自分で決めましょう。 |
組合費はどのくらいですか? | ◯◯円です。(正確に伝えましょう) |
組合費は何に使われますか? | 組合活動に必要な経費として使うため、皆さんに還元されます。 |
説明会以降も呼びかけを続ける
説明会は労働組合にとって大きなイベントの一つになりますが、あくまでも加入促進活動の一環です。加入の呼びかけは年間を通して行う必要があります。
勉強会・相談会・交流会などを実施し、未加入者と接する機会をできるだけ増やしましょう。説明会の振り返りを行い、次年度以降の説明会に生かすことも重要です。
労働組合の加入促進のポイントを押さえよう
労働組合に入る人が増えない理由としては、「メリットを見いだせない」「興味がない」などが挙げられます。仲間を増やすためには、組合のことをより深く知ってもらうことが大切です。
加入促進のポイントを理解し、さまざまな取り組みで組合員の増加につなげていきましょう。